アクリ屋DIY

細かい仕上に活躍するラム型汎用フライス盤

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みなさま、こんにちは。
アクリ屋探検隊 です。

今回は、ラム型汎用フライス盤の紹介を致します。
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さくら樹脂(アクリ屋ドットコム)で使用しているラム型汎用フライス盤は、遠州製のHA形で、加工範囲は、X550、Y285、Z390 バイス幅315となります。

ツール1本で左右の自動送りが可能なため、主にカットした素材をフルバックというツールを使い加工寸法に仕上げる用途で使用しています。

仕上げ面は細目(さいめ)仕上げになります。
NCフライスとは異なり、細かな調整が必要なため、汎用は作業者の腕と経験が重要になります。

また、使い方次第では、ボール盤の様に穴加工が出来たり、ルーターの様なR加工も可能です。
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ラム型汎用フライス盤の中央にあるフルバック本体にインサートチップが3枚付いていて、
回転しながら左右に動き、素材面を仕上げます。
アクリ屋ドットコムでは、細目仕上げにこのラム型汎用フライス盤と、手動カンナ盤を使用しています。
150mm以下の小さなものはラム型汎用フライス盤で仕上げ、
それよりも大きいものは手動カンナ盤で仕上げとなります。
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↑フルバックが回転しているので、筋目が弧を描いています。
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↑手動カンナ盤では筋目は直線になります。
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【作業手順】
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先ず、ノギスで材料の寸法を測ります。
今回は、20.95mmの材料を20mmに仕上げます。
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バイスに材料を固定します。
固定がしっかり出来ていないと、機械を動かした際に材料が飛んでしまうことがあり危険なので、
慎重に固定します。
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材料が浮いていると正確に寸法が出ないため、
材料を軽く叩いて、バイスにはめ込みます。
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材料とフルバックの刃の距離が0になるようにセットします。
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最初に約0.4mm短くします。
Z軸で高さを調整するのですが、バイスにフルバック本体が当たると危険なのでZ方向は慎重に調整します。
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フルバックが回転しながら左右に動いて、表面を削ります。
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20.57mmになりました。
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裏側は寸法を出すために1回薄く平面に削ってから測定して仕上げます。
0.2mm削ったので、20.37mmになりました。
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仕上げに0.37mm削ります。
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20mmに仕上がりました。
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【その他の機能】
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ハンドルを外すとストッパーが解除されて、Z方向送りレバーでベッドを上下に早送りで動かすことも出来ます。
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上部レバーのロックを外すと、クイル(工具を取り付ける部分)を手動で上下に動かすことが出来、
ドリル加工も行えます。
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~ラム型汎用フライス盤の機械技術を習得するには~
仕上げ作業だけであれば、3~4ヶ月程で段取りから加工まで出来るようになりますが、穴あけやR加工などのマシニングと同じ様な加工も出来るようになるには最低でも5~6年必要です。

~代表的なアクリ屋製品~
・アクリル板加工 セミオーダーの細目仕上げ
※150mm以下

~加工担当者のコメント(K氏)~
ラム型汎用フライス盤だけでなく、どの機械を扱う場合も、
ケガや事故がないように材料の固定や刃物の位置に気を付けながら作業をしています。
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