PLSは、アクリル切削によって作られた単純な幾何学形のケースの中に、複数のLEDを配置したモジュールを内蔵することにより構成されている。LEDの特徴として、小さな光源がニュートラルな光を放つという点があげられる。PLSではLEDの光の粒が放つこのニュートラルな光をケーシングの形状によって光学的に屈折させ、微細な光をあつめ、幻想的なプロジェクションとして現象させる。高い精度で切削されたアクリルの境界面には、モジュールを固定する為の溝加工 や LEDの光の粒が映り込んだり、微妙な表面のゆらぎが作る虹色の光彩が現れる。このとき「ひかりがたまっているね」と表現した自分の言葉にはっとした。つまり、PLSは空間を伝搬しているときはそれ自身を見ることのできない光というものを、アクリルという物質によって捉え、視覚化している。
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