アクリ屋DIY

アニーリング=焼きなまし

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こんにちは、アクリ屋探検隊です。

今回は乾燥炉についてご紹介します。
乾燥炉とは、材料のアニーリング(熱処理)、除湿等を行う装置です。
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アクリ屋ドットコムでは、アクリル丸棒・パイプの接着加工、アクリル重合製品にはアニーリングという処理を行います。

アニーリングでは分かり難いかもしれませんが、焼きなましという言葉は聞いた事があるのではないでしょうか?

この処理を行う事で、材料の質、加工性が良くなり、接着時のクラックの防止に効果があります。
プラスチック樹脂のアニーリング温度は様々ですが、アクリルの場合は耐熱温度よりも若干低い温度にて行います。
その際の加熱時間は材厚・加工の内容によって変更しています。
その他に、アクリル樹脂は、吸湿性も高い為、除湿の意味もあります。
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<制御パネル>
乾燥炉の温度、時間の設定はこちらの制御盤にて行います。
設定温度は、室温から最大で200℃まで加熱する事が出来ます。
更に、連続運転モード(100℃一定等)以外にもプログラム運転モードがあります。
プログラム運転モードの例として
ステップ1 100℃ 30分
ステップ2 100℃ 5時間
ステップ3 30℃ 5時間
といった様に、上昇・下降温度、時間を任意に変更出来ます。
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<炉内写真>
炉内は、側面のヒーターよりファンにて熱風が吹き出し、内部で熱が循環する形となります。
大型の乾燥炉ですので、製品次第で台車ごと中に入れてアニーリングする事も可能となります。
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<小型乾燥炉写真>
小さい物をアニーリングする際等は、サイズの小さい乾燥炉を使用します。
機能は大型の物と同様です。

~乾燥炉の技術を習得するには~
乾燥炉の機能自体は、数日あれば覚える事は可能です。
ですが、多種多様なプラスチックの物性を理解した上で、温度時間設定を決める事は、容易ではないです。今後も勉強あるのみです。

~代表的なアクリ屋製品~
プライベートアクアリウム

<アクリル重合製品全て>
アクリル ペントレイ
アクリルラウンドボウル
アクリルラウンドボウル スモール
キュービック・サークル
ブロックベース

~加工担当者のコメント~
何かを加工する為には、先ず加工する材料がないと始まりません。
質の良い材料を準備する事は、良い製品を作る最初の1歩です。
今後も知識と経験を蓄積し、皆さんに何か新しい物を提供していければなと思います。
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