ポリカーボネートとは?何を作るのに適しているの?

ポリカーボネートは、DIYで人気が高い素材のアクリル板と同じプラスチック材の一種です。

透明な見た目はアクリル板とよく似ていますが、この二種類の板には大きな違いがあることをご存知でしたか?

今回は、ポリカーボネートの概要や特徴、扱う際の注意点について解説します。

ポリカーボネートってどんなもの?

ポリカーボネートとは、熱可塑性樹脂の一種であるポリカーボネート樹脂が原料のプラスチック素材です。

耐衝撃性や耐久性、透明度に優れた素材であることから、カメラレンズやパーテーション、高速道路の透光板、車のヘッドランプなどに活用されています。

紫外線に強いうえに、-40℃~125℃までの温度に耐えられるため、屋根や看板などの屋外利用にも最適な素材です。

このように、身近なところにもポリカーボネートが使われている為、生活する上で必要不可欠な素材と言っても過言ではないでしょうか。

ポリカーボネートとアクリルの違いとは

ポリカーボネートとアクリルは同じプラスチック素材ですが、以下の特性に大きな違いがあります。

加工性

DIYをする上で必要な工程である、カット、穴開け、曲げとった加工がしやすいのはアクリル板です。

一方、ポリカーボネートはアクリル板よりも接着や熱曲げ加工には向いておりません。

そのため、アクリルケースのような細かい加工が必要なDIYよりも、屋根や看板など、板状のまま使用することが一般的です。

耐衝撃性

ポリカーボネートは衝撃に強く、非常に割れにくいという特性があります。その強度はアクリル板の30倍と言われており、プラスチック素材の中でも最高クラスです。

燃焼性

ポリカーボネートは、着火しても燃え広がらずに自然に消火できる、自己消火性を備えています。

一方、アクリル板は可燃性であるため、万が一火事が起きた場合は燃えやすい傾向にあることを心得ておきましょう。

ポリカーボネートはどんな種類があるの?

ポリカーボネート板は「平板・中空板・波板」の三種類に分類され、それぞれに適した用途や特徴が異なります。DIYでポリカーボネートを使用する前にどの種類が適しているかチェックしましょう。

平板の特徴と用途

平板(ポリカーボネート板 フリーカット)とは、アクリル板のような一枚板タイプで、無色透明から色付きのもの、すりガラスのような加工をしたものなど種類が豊富で、汎用性が高く、高い耐衝撃性や採光性も兼ね備えています。

平板には屋内に適したものと、屋外に適したものがあり、用途によって使い分けることが出来ます。

たとえば、屋内用ならパーテーションや階段の腰板(階段手すりポリカーボネートパネル セミオーダー)に適しており、屋外用は屋根やカーポート(カーポート屋根修理材フリーカット)、看板、窓、バルコニーの腰板などに最適です。

中空板の特徴と用途

中空板(ツインカーボ・ポリカツイン(中空ポリカ板) フリーカット)とは、板と板の間に空洞があり、同じサイズで比較すると平板の1/5、ガラスの1/10ほどの軽さが特徴で、段ボールのような見た目も特徴の一つです。

また、空洞があることによって断熱性と保湿性が高いため、屋根材や保温室、ドアの採光などに適しています。

波板の特徴と用途

波板とは、断面が波を打っている見た目が特徴で、平板よりも強度が高いというメリットがあります。

主な用途は屋根材で、雨水が流れ落ちやすく、雨どいと組み合わせて使うことが一般的です。無色透明から色付きまで種類も豊富にあるので、好みに合わせて選ぶことが出来ます。

ポリカーボネートを扱う際の注意点

さまざまな特性やメリットがあるポリカーボネートですが、以下の点に注意が必要です。

傷がつきやすい

高い強度を備えているポリカーボネートですが、傷がつきやすいのが大きな弱点です。

ポリカーボネートの硬度は鉛筆でいえばB程度なので、ブラシで擦るだけで簡単に傷がついてしまいます。傷がつくと透明感が失われるため、作業する際は傷がつかないように慎重に行いましょう。

アクリルやガラスと比べて透明度が劣る

透明度を示す光線透過率は、アクリル板で93%、ガラス板は92%、ポリカーボネートは約86%と、透明度がやや劣ります。そのため、透明感を求めるディスプレイ・フレーム関連などのDIYには向いておらず、強度や耐候性を求める場所に使うのがいいでしょう。

反りが出てしまう可能性がある

ポリカーボネートの原料であるポリカーボネート樹脂を含み、多くの樹脂には反りが起こる特性があります。特にサイズが大きい場合は注意が必要です。反りが出ないようにするには、四方や中間部分をしっかり固定することが大切です。

汚れを放置すると取れなくなる

ポリカーボネートに汚れや雨水が付着した場合、長期間放置すると汚れが取れなくなる恐れがあります。汚れが付着したら放置せずに、1%程度に薄めた中性洗剤を含ませた布でこまめに拭き取りましょう。

また、屋外で使う場合、3か月に1回程度はクリーニングで汚れを落とすことをおすすめします。

クリーニングは以下の手順で行うと、ポリカーボネートを綺麗に保つことが出来ます。

  • 1.表面に付着している汚れを水洗いする
  • 2.石けんか中性洗剤を柔らかい布で泡立てて拭き取る
  • 3.洗剤でも落ちない汚れは、イソプロピルアルコールを湿らせた布で拭く
  • 4.中性洗剤で洗ったあとにぬるま湯で洗い流し、乾いた柔らかい布で、しっかりと水分を拭き取る

また、ポリカーボネートはシンナーやアルコールなどの溶剤と相性が悪く、細かいヒビが入ったり白く変色したりするので使用しないように注意しましょう。

まとめ

ポリカーボネートの特性、種類別の用途、取扱の注意点について、お分かりいただけましたか?

ポリカーボネートはアクリル板よりも強度が高いため、屋根や看板などの強度が必要で、かつ細かい加工を必要としないものに最適です。

また、用途に合ったポリカーボネートを選ぶことと、扱い方の注意点を踏まえてDIYを行うようにしましょう。

製品紹介

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