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エコプロダクツ2009を視察してきました(会場退場~まとめ編)

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皆さんこんにちは。

エコプロダクツ2009の記事も今回で最後になります。
以前の記事は下記リンク先にてご確認下さい。
エコプロダクツ2009を視察してきました(会場入場編)
エコプロダクツ2009を視察してきました(三菱レイヨン株式会社編)
エコプロダクツ2009を視察してきました(株式会社クラレ編)
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私が会場を出る頃には、もう空も真っ暗になっていました。

今回様々なブースを見て、今後のキーワードになりそうな点は
1. 植物由来プラスチック
2. 分解性プラスチック
3. リサイクル
4. 炭素繊維
5. 半合成繊維
だと感じました。
残念ながら丁寧に説明をして頂いても、これらの技術を上手く理解する事は出来ませんでした。

更に共通して言える事があるとすれば100%ではない事です。
どういう事かと言いますと、植物由来プラスチックについて某メーカーの担当者とお話していた際に、
「今ある全てのプラスチックを植物由来の物に変えてはどうですか?そうすれば石油を使用しなくて済むのではないですか?」
とお聞きしました。

「現在の技術は、様々な使用条件において数10%の割合で混合は出来ても、それ以上となると強度等で条件に合わない物もあるのです。残りは現在の石油由来のプラスチックを混合する必要があります。今後も技術レベルを上げ、試験を繰り返しその割合を高めて行ければ良いですね。」
というお返事を頂きました。

次にケミカルリサイクルについて、三菱レイヨン株式会社様ご担当の方にお聞きした際に、
「弊社でも、マテリアルリサイクル(板等の材料に戻す)という形にて行っていますが、その前の段階である原料のMMA(メタクリル酸メチル)に戻すというケミカルリサイクルはとても魅力的ですね。こういった技術がもっと広く普及する事を望みます。」
それに対して、
「現時点では、この処理施設は年間2000tの実証設備です。また市場に溢れるアクリル製品は、アクリルのみという形で使用される以外に、看板用途では別樹脂のフィルムが貼られていたり、金属が接着されてあったりとそのままでは、リサイクル不可能な物が多いです。今後は、信頼出来るパートナーショップからの廃材回収システムや、一般ユーザー様にアクリル樹脂リサイクルの概念をもっと浸透させて行く事、合わせてリサイクル技術を更に進歩させて行く事が必要です。これらの動きが総合的に高まる事で、ケミカルリサイクルは普及して行くと思います。」
というお返事を頂きました。

思い返すと、私が小学校時代には、工場からの公害問題をよく授業で習いその事で環境問題を教わりました。
それから時代が過ぎ、家電リサイクル法等で資源について話題になり、リーマンショック以降の自動車産業の移り変わりの中でエコカーが注目を浴び始め今にいたった気がします。
こう考えますと、少しずつ世の中はエコについての意識が変化していっているのかなと思います。
現時点でそれはどの位なのかは分かりませんが、間違いなく変化しています。

最後に、よく耳にする事に「消費する事は悪じゃないの?エコを気にするなら消費しなければいいじゃない」といった言葉を偶に聞きます。

私はこういった人達に次の事を言いたいと思います。
「大量に消費した方が良いとは言いません。ですが、適度に消費する事は大事です。消費される事でお金が循環し、そのお金の一部が環境技術開発に使われ、その環境技術を活かした製品が生まれ、それらを購入する事で人々の環境への意識が高まって行き、未来では今では考えられない素晴らしい製品が生まれるかもしれない。確かに何も消費しない事が正しいと思う人もいるかもしれません。でも、欲しい物があるので消費したいと思う人もいる。どちらかが100%正しいという訳ではなく、上手く折り合いをつけて行くしかないのです。私は適度に消費する事がより良い未来に繋がると信じます。」

以上で今回のエコプロダクツ2009の記事を締めたいと思います。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。